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その1はこちらです。 クラシックギターにはいろんな素材のものがあります。 これもまた、製作者の腕や設計によってその素材の特徴の出方がさまざまですから、単純化して説明することにやや抵抗を感じるのですが、ある程度の目安を書いておいたら何らかの助けになるのではと思います。 1、表板 ギターの音を決める一番大事な部分です。 伝統的な構造である場合、という前提のもと説明します。 素材は松か杉で99%ぐらいを占めます。 松はもっとも伝統的な素材です。 かの有名なストラディバリが300年前に作ったギターも松です。 杉と比較した場合は、透明感のある音や繊細な変化に富んだ音という印象です。 松をよく使う有名な製作家と言えば、ハウザー、ロマニロス、アルカンヘル、マリン、ブーシェなどでしょうか。 「ドイツ松」と記載されている資料がよくありますが、ドイツ産の松という意味ではなく、そういう種類の松です。 えぞ松が使われることがありますが、ドイツ松の方がすっきりして明るく、えぞ松のほうがしっとりと粘るような印象です。 杉は20世紀に使われ始めました。 松と比べると、ねっとりと歌うような甘い音が得意です。 また、低音に適度なザラつきを与えることもあります。 杉をよく使う有名な製作家と言えば、ラミレス、フレタ、フレドリッシュなどです。 2.裏板、側板 この2つの部分は基本的に同じ素材で統一します。 伝統的にはメイプルが使われましたが、19世紀後半以降はハカランダ、ローズウッドが主流になります。 メイプルは、明るい音が軽々と飛んでいくような印象です。 バロックギターの貴族的な響きはメイプルの影響が大きいのではないでしょうか。 一方、ハカランダやローズウッドはどっしりと構えたところから、貫通するように音が飛んでいきます。 現代のコンサートホールでの演奏に使いやすいため普及したのでしょう。 ハカランダはブラジリアンローズウッドとも呼ばれ、一般にローズウッドと呼ぶものはインディアンローズウッドを指していました。 ハカランダはワシントン条約で規制されるほどの希少な木材ですので、近年使用される機会が減っています。 ローズウッドはハカランダの下位互換であると考える人が多いのですが、ロマニロスのようにこだわってローズウッドを使っている例もあります。 アルカンヘルの楽器でも、高級モデルにあえてローズウッドが見られることがあります。 ある日本の製作家の方は、ローズウッドをハカランダの下位互換と考えているにも関わらず、質の悪いハカランダは質の良いローズウッドに劣る、とのことでした。 今日では、ハカランダでも(インディアン)ローズウッドでもない、様々な種類のローズウッドが使われます。 非常に良い結果を出しているものもありますし、素材の種類よりは、質にこだわるべきではないかと思います。 マホガニーを使った楽器も一時期たくさんありましたが、最近は少なくなっています。 ウクレレのような明るく軽いながらも、ややくすんだような印象です。 かつては、かすれたような音の楽器が多かったのですが、最近、非常に低価格で明るく鳴る量産ギターを見かけ、感心したことがあります。 3.ナット、サドル 弦が乗っている白い部分のことです。 ブリッジ側をサドル、ヘッド側をナットと呼びます。 プラスティックのような樹脂で出来たものは価格の安い量産品に見られます。残念ながらメリットは価格以外に思いつきません。 牛骨は一般によく使われます。 やや硬質な音でよく伸びますし、しっかりとした音量が得られます。 象牙は言うまでもなく希少な素材で、高級ギターに使われ、牛骨より柔らかく、密度を感じる音になります。楽器との相性によってはきらびやかさが損なわれることがあり、牛骨が好ましいことも稀にあります。 番外編としてはマンモス牙があります。絶滅危惧種の象牙と違って、ワシントン条約などで規制されることはありません。(すでに絶滅していますし) 個人的には使用経験が少なすぎて評価しにくいのですが、象牙ほどはしっかり鳴らないので、価格に見合わないような気がしています。今後、もっと使う機会があれば評価は変わるかもしれません。 ちなみに、ナットとサドルは消耗パーツです。交換もできますから、楽器選びにおいては優先度が低いと考えてください。 さて、こだわりたい点、妥協すべき点、は見えてきましたか? 「よし!では、ドイツ松、ハカランダ、象牙のギターを10万円で探そう!」と言うのは恐らく無理です。 逆に、100万円のギターにハカランダが使われていなかったからと言って、疑う必要もありません。 素材の種類はあくまで好み。 好みを絞ったら、質で選んでください。
by kamegt
| 2016-05-04 03:20
| 楽器・弦
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