前回の比較で取り上げなかった弦で、最近とても人気がある弦といえば、そう、サバレス・カンティーガですね。
カンティーガの低音と、ニュークリスタルの高音を組み合わせて使う機会が増えました。
では、定番サバレス・アリアンスと比較してみましょう。
・ニュークリスタル
長年言われてきたアリアンスの欠点「強弱や音色の変化がつきにくい」という点は、かなり意識したと思われ、ものすごく改善されています。
現在市販されている弦の中でも、トップレベルに変化が付き、アリアンスとの大きな違いは、弱音のときにも芯がぼやけないことです。
また、ロマンティックな甘い音色も出すことができるようになりました。
それに対して、アリアンスは直線的ですが、より透明感のある音です。
それから、アリアンスは少々雑に弾いてもミスタッチをしにくい弦だったのですが、ニュークリスタルは変化が付く分シビアです。
・カンティーガ
お待ちかねでしょうか、カンティーガです。
張って第一印象は「よくしなる」。
テンションをかけていないときには曲げやすい素材であることが感じられますが、張ってみてもその感じは残ります。
ただし、張りが弱いわけではないので、しっかり弾くことはできます。心配ありません。
ハナバッハのように狭い幅で振動するような感じでもないし、オーガスティンのように暴れるわけでもない。
普通によくしなる弦です。
そして、音量がある。
低音のアポヤンドを、そこそこ力任せに弾けるのは気持ちいいですね。
音量の変化や、ヴィブラートの幅も調整しやすく、コントロール性にも優れます。
弱音で芯がぼやけないのはニュークリスタルと同じ。
私にとっては、ここが一番のポイントです。
人気があるのも頷けますね。
1つだけ欠点を指摘しておきます。
ずばり、寿命が短い。
私の場合は、1週間もちません。
仕事で弾くのでなければ1ヶ月ぐらいは使えるでしょうか。
最後に、念のため言っておきますが、弦選びに一番大切なことは、楽器との相性です。
張ってみたら正反対の印象だったということもあり得ます。
あくまで弦選びを楽しむための参考と思ってください。